小説「世にも奇妙な君物語/ 朝井リョウ」を読んでみた

ネタバレなしの小説レビュー

朝井リョウさんの小説「世にも奇妙な君物語」を読みました。

私は朝井さんの作品を読むのが初めてだったのですが、とても楽しめました。

あらすじ。

いくら流行っているからといって、経済的にも精神的にも自立した大人が、なぜ一緒に住むのか(第1話「シェアハウさない」)。その人がどれだけ「リア充」であるかを評価する、「コミュニケーション能力促進法」が施行された世界。知子のもとに、一枚の葉書が届く(第2話「リア充裁判」)。親のクレームにより、幼稚園内で、立っている金次郎像が座っているものに変えられた!(第3話「立て!金次郎」)。…そしてすべての謎は、第5話「脇役バトルロワイアル」に集約される。

タイトルにあるように、フジテレビ系列のオムニバステレビドラマ「世にも奇妙な物語」を意識しまくったこの作品。(実際、朝井さんは「世にも奇妙な物語」の大ファンだそうで、このドラマに採用してもらう気満々で勝手に原作を書いたのだとか。)

全5話の短編集なのですが、肩肘張らずに気軽に読める作品だと思います。

私は個人的に1話目の「シェアハウさない」が好きですね。

例によって、私の作品レビューはネタバレは一切しないことを心掛けているので内容については触れませんが、この「シェアハウさない」だけでも読む価値があるように思います。

物語を簡単に言うと、共通点のない謎の4人が共同生活をしているんですが、あるライターがその4人の共同生活を調べれば調べるほど謎が出てきてしまいます。

現代に多く見られる「シェアハウス(共同生活スタイル)」。

それが、上手にミステリーになっています。

短編にするのがもったいないとすら思えました。

割とあっけなく謎が明らかになるのですが、もっと謎を引っ張っても面白かったと思えます。

「シェアハウさない」は、2~3倍の文字数にしたらもっと面白かったのではないでしょうか。

他の4話は私好みの作品ではありませんでしたが、それでも退屈することなく読めました。

印象に残ったのは、ラストの話「脇役バトルロワイアル」。

これはもう、フジテレビの「世にも奇妙な物語」をそのまま観ているような気分になります。

頭の中で勝手に映像化されてしまいます。

登場人物が全員実際に芸能界にいる人物なので、その人物たちが頭の中で勝手に演技を始めます。笑

それだけ朝井さんの文章力が高いのでしょう。

全体を通して、この本はおすすめできます。

「めちゃくちゃハマる本」とは言えないかもしれませんが、娯楽として充分に楽しめます。


世にも奇妙な君物語 [ 朝井リョウ ]