小説「藁にもすがる獣たち/ 曽根圭介」を読んでみた

ネタバレなしの小説レビュー

曽根圭介さんの小説「藁にもすがる獣たち」を読みました。

私の中で、曽根さんの作品にはハズレがないです。

どれもこれも面白い。

あらすじ。

サウナの客が残していったバッグには大金が!?持ち主は二度と現れず、その金で閉めた理髪店を再開しようと考える初老のアルバイト。FXの負債を返すためにデリヘルで働く主婦。暴力団からの借金で追い込みをかけられる刑事。金に憑かれて人生を狂わされた人間たちの運命。ノンストップ犯罪ミステリー!

ネタバレしない程度に内容を説明すると、億単位の大金をめぐって多くの人が翻弄されていくストーリーです。

翻弄されるのは、生活に困窮している人だったり、借金している人だったり、追い込まれて犯罪者になってしまった人だったりと、崖っぷちにいる人々なんです。

とことん追い込まれた人々が、足掻けば足掻くほど泥沼にはまっていく様は、まるで現代日本の地獄を見ているようです。

そして、そんな地獄は遠い世界の話ではなく、結構近くにありそうなんだと感じさせてくれます。(他の世界観の作品を引き合いに出すのはナンセンスだと理解していますが、あえてそんな現代日本の地獄を描く作品で似たものを挙げると、漫画「闇金ウシジマくん」でしょうか)

並行して一見繋がりのない人達のストーリーが進んでいくのですが、最後に綺麗に繋がっていく様は圧巻です。

私はこの作品も、読後すぐに読み返しました。

曽根さん作品はほぼ必ず読み返してしまいます。

読み返すことで、色々見えてくるものがあるんです。

「藁にもすがる獣たち」も、一度は読む価値がある小説だと思います。


藁にもすがる獣たち (講談社文庫) [ 曽根圭介 ]