小説「顔貌売人 ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬/柳井 政和」を読んでみた

ネタバレなしの小説レビュー

柳井 政和さん「顔貌売人(がんぼうばいにん) ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬(かしきどうけいま)」を読みました。

あらすじ。

園村幸子は地方から上京し、東京の大学に入ったが、ブラックバイトに手を染め、騙されてアダルトビデオに出演させられる。卒業後は都内の銀行に就職して、地味な生活を送っていた。ところがある日、高校の同級生から「おまえ、AVに出てないか」というメールが届く。驚いた幸子は、メールにあった「AV女優顔探索」というサイトを見て愕然とする。顔認識の技術と個人情報を紐付け、過去を暴く恐ろしいシステム。その作者の真の意図とは一体…?相談を受けた女社長・安藤裕美と、クールな一匹狼の技術者、鹿敷堂桂馬は、すぐに行動を開始する。

前作「裏切りのプログラム」があまりに面白かったため、今作も期待して読みました。

結果、期待し過ぎてしまいました。笑

今作も面白かったんですよ。

ただ、私の中のハードルが上がり過ぎてしまっていたようで、話の後半で失速を感じてしまいました。

今作も前半が非常に面白い展開だっただけに、後半の陰謀論的な流れに疑問を感じてしまった次第です。

ネタバレしないように言いますが、ストーリーが非常に大きな問題になっていくんです。

少なくとも、スタートアップのベンチャー企業が解決できるようなレベルの話じゃなくなっていきます。

そこにちょっとだけ違和感を感じました。

繰り返しますが、非常によくできた話だと思いますし、間違いなく楽しいです。

ただ2作目にして、話が大きくなり過ぎなんじゃないかな、と。

これがきっと10作目だったら、私も違和感を感じなかったんでしょうけど、2作目ですからね。

2作目でこれだと、3作目はFBIとかCIAが出てくるんじゃないかと、睨んでおります。笑

まあ、FBIやCIAは冗談ですが。

せっかく最高のキャラクターの存在と、現実的な問題解決方法が楽しかったのに、ストーリー自体をあり得ないものにしてしまうと、途端にリアリティーが無くなってしまうんじゃないかなと、危惧しております。

もちろん、私なんかに危惧されても痛くも痒くもないでしょうが、この作品のファンとして末永く続けてほしいと願っているわけです。

ハッカーの概念を壊すようなハッカー探偵と、感情論で突き進むIT音痴の若手女社長という、凸凹コンビが最高なだけに、もっともっとこのシリーズを読みたいんです。

3作目も必ず読みますので、ぜひリアリティーを捨てないで頂ければ幸いです。(私のブログを著者が読むとは思えませんが、いちおう。笑)


顔貌売人 ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬 [ 柳井 政和 ]