黒史郎さんの「ラブ@メール」を読みました。
あらすじ。
七夕の日、突然、世界中のカップルがバタバタと死に始めた。お互いを貪るように求め合った後に悶死するのだ。さらに、相手がいない者は、狂わんばかりに「愛」を求めて街を彷徨う。その姿は、ゾンビのようだった。伝染病?それとも細菌テロ?“発症”を免れた裕也と妊婦の唯は、自衛隊員の大熊と出会い、驚くべき事実を知る―。新鋭が放つ、異形なる愛の物語。
「ラブ@メール」というタイトルからは想像できないかもしれませんが、これはゾンビの話です。
内容の感想はというと、めっちゃくちゃ面白かったです。
私は個人的にゾンビモノが好きなんですが、ドンピシャでした。
もう、先が知りたくてウズウズしっぱなしでした。笑
読む時間がなかろうが、その日の予定をキャンセルしてでも読み続けてしまいました。(それでいいのか?笑)
しかも、ゾンビの発想が面白いんです。
私の知る限り今までにない発想でした。
詳しくは言えませんが、いわゆるバイオハザードのような話じゃないんです。(バイオハザード系も面白いんですけどね。)
いやー、黒史郎さんは才能あるホラー作家さんだと思いました。
これを読むのなら、絶対に事前に情報を集めないで貰いたいなと願います。
ネタバレしてしまったら絶対につまらないと思うんで。
そう。ネタバレしたら、面白さ半減なんですよ、この小説は。
まあ、どんな小説でもそうかもしれませんが、「ラブ@メール」は特にその傾向が強い気がします。
何しろ、「なんで世界がこうなってしまったんだ?」というのがこの小説のキモだと思いますんで。
この小説が向いている人は、「ゾンビモノが好きな人」、「パニックホラーが好きな人」、「面白いホラー小説が読みたい人」でしょうか。
そう、ホラー好きならほとんど誰もが楽しめるんじゃないかと思います。
こういうことを言うと、ハードル上がりまくりそうですが、私の中で大ヒットなんです。
だから多少ハードルが上がろうが、ぜひ読んでもらいたいんです。(そして、喜びを分かち合いたい。笑)
ただし、注意点もあります。
それは、怖さは控えめと言いますか、正直なところあまり怖くはないです。
ジャンル的にはホラー小説に分類されるけれど、怖くないわけです。
ですので、怖い小説がご希望ならばこれはあまり向いてないかもしれません。
怖いのをお求めならば、「夜は一緒に散歩しよ」を推薦します。(黒史郎さんの作品であるならば)
「ラブ@メール」は、先が知りたくてワクワクする感じだったり、発想の面白さに感心したり、世界の終わり感を味わえることであったり、そういう楽しみ方ができたら最高の読み物になるように思います。