小説「夜は一緒に散歩しよ/黒 史郎」を読んでみた

ネタバレなしの小説レビュー

黒史郎さんの小説「夜は一緒に散歩しよ」を読みました。

あらすじ。

作家の横田卓郎は妻を亡くし、娘の千秋と一緒に暮らしていた。妻の死後、千秋は奇妙な絵を描くようになる。人ではない異形のものを。そして、ある日をきっかけに「青い顔の女」ばかりを描くようになった。千秋はその絵を「ママ」と呼び、絵を描くことに執着するようになる。もうひとつの執着。それは夜の散歩だった。第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞受賞作品。

大賞を受賞しただけのことはあり、良質な作品だと思いました。

怖さと狂気、そして気持ち悪さがすべて味わえる本格ホラーです。

黒史郎さんの作品は、以前に実話怪談系の本を読んだことがあったと思うのですが、私としては断然「夜は一緒に散歩しよ」のような創作モノが好きです。

どんどん先が知りたくなりますし、世界観にハマれます。

個人的に黒さんの創作ホラーが大好きですので、ガンガン執筆していただけると嬉しいなって思います。笑

ところで。

文章で怖さを表現するのって、難しい反面、ハマれば映像をはるかに超える怖さを感じさせてくれるんですよね。

「リング」が良い例ではないかと思います。

小説はあんなに怖かったのに、映像ではあまり怖くないんです。

どんなに怖い演出をしても、幽霊が一定時間以上見えてしまうと、なんだか陳腐に感じてしまうんです。

貞子の井戸上りは、まあ怖いっちゃ怖いですが、やはり陳腐に見えてしまいますから。(貞子の幽霊が出てこない原作に近い形をとっているテレビ版は、怖かったですね)

あくまでも私の考えではありますが、幽霊は見えちゃダメなんです。

想像を掻き立てるからこそ怖いわけでして。

幽霊が見えても、怖いことは怖いんですよ。

でも、思わず想像してしまう方が遥かに怖いんです。

もちろんこれには個人差が強いと思われます。

想像力が強い人ほど、見えない幽霊の方が怖いと感じるのではないでしょうか。

その点、この「夜は一緒に散歩しよ」は想像を掻き立ててくれる文章で、怖さや不気味さを感じることができます。

ですので、想像力が強くてホラー好きな方にお勧めできますよ。

また、ホラーの世界に現実逃避したい人にはうってつけじゃないかと思います。

ホラー好きなら、一度は読む価値がある小説だと思います。


夜は一緒に散歩しよ【電子書籍】[ 黒 史郎 ]