小説「恐怖小説 キリカ/澤村伊智」を読んでみた

ネタバレなしの小説レビュー

澤村伊智さんの「恐怖小説 キリカ」を読みました。

あらすじ。

本当にごめんなさい。日本ホラー小説大賞は、ついうっかり「本物」を世に出してしまいました。
澤村さん、〇〇を本当に〇〇のは止めましょうよ。――貴志祐介

『ぼぎわんが、来る』、『ずうのめ人形』でエンタメ小説界を震撼させた澤村伊智が、スティーヴン・キングの傑作『ミザリー』に挑む!

人間が一番怖い――。
あなたの日常を侵食する究極のサイコ・サスペンス!

ホラー小説の新人賞を獲得し、僕は出版に向けて準備をはじめた。隣には支えてくれる最愛の妻・キリカ。
順風満帆な日々が続くと思われたが、友人の一人が「作家とは人格破綻者である」「作家は不幸であるべき」と一方的な妄想を僕に押し付け、嫌がらせをはじめる。ストーカー行為、誹謗中傷の手紙、最悪の贈り物。
やがて不幸(ミザリー)は、僕とキリカのとある「秘密」を暴き出すが――。

これで私は、澤村さんが出している現時点の長編小説をすべて読んだことになります。

「恐怖小説 キリカ」を読んだ感想はと言いますと、これまでの作品よりはちょっと落ちるかな、と。

この小説の主人公は澤村さん自身で、澤村さん視点で話が進んでいきます。

内容のどこまでが真実を元に書かれたのかは分かりませんが、澤村さんの半生を見ることができたようで楽しめました。

ただ、「この小説が怖かったか?」と聞かれたら、あまり怖くはなかったんです。

作品のコンセプトは「幽霊よりも人間の方が怖い」ということみたいです。

世間一般の価値観として、近年その傾向がどんどん強くなってきているように感じます。

私だって幽霊よりも生きている人間の方が怖いと思いますよ。

ただ、澤村さんの場合はオカルトを扱っていた方が向いているように思えました。

もちろん、この一作だけを読んで私はそう思っただけですので、実際は違うかもしれません。

あくまでも私個人的には、澤村さんには「ずうのめ人形」みたいなオカルト系ホラーを書いてほしいな、と。

澤村さんの作品はオカルトの怖さを書いても、そこに人間の黒さみたいなものも上手にミックスしてくれるので、そのバランスが私としては心地いいわけです。

今回読んだ「恐怖小説 キリカ」も澤村さんファンの一人として楽しめましたが、私にとっては「恐怖小説」というには恐怖度が低めでした。

もしもまだ澤村作品を読んだことがない方がいて、一発目に何を読むべきかと聞かれたら、まずは「ぼぎわん」が良いんじゃないかなと思います。

で、ぼぎわんを気に入ったら「ずうのめ人形」を読んでほしいですね。

そこまで来たら、きっと澤村ワールドにハマると思います。

それで澤村さんのファンになったのなら、「恐怖小説 キリカ」もいいかもしれません。

でもまずは「ぼぎわん」と「ずうのめ」がおすすめです。


恐怖小説 キリカ [ 澤村 伊智 ]