小説「よもつひらさか/今邑 彩」を読んでみた

ネタバレなしの小説レビュー

今邑 彩さんの「よもつひらさか」を読みました。

あらすじ。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。ちょうど立ちくらみをおぼえた私は、青年の差し出すなまぬるい水を飲み干し…。一人でこの坂を歩いていると、死者に会うことがあるという不気味な言い伝えを描く表題作ほか、戦慄と恐怖の異世界を繊細に紡ぎ出す全12篇のホラー短編集。

この小説が書かれたのが、1999年だそうで。

18年も前ってことを加味すると、今邑さんってすごいなと。

私は今邑さんの作品を読んだのは初めてだったので、少し調べてみようとWikipediaを見てみると、2013年3月6日にお亡くなりになられているそうです。(57歳没)

こんな才能のある方が、57歳の若さで亡くなられるなんて・・・

さて。

「よもつひらさか」についてですが、とても楽しめました。

12話入った短編集なのですが、気軽にサクッと読めます。

割とオチが読めてしまう話が多いのですが、テレビドラマの「世にも奇妙な物語」が好きな方はドンピシャでハマると思います。

ホラーあり、ミステリーあり、ファンタジーありと、お得パックみたいです。笑

短編集なので、隙間時間や移動時間に読むのもありですね。(ただ、短編集ですので先を知りたくてウズウズするという感覚は味わいにくいかもしれません)

12話中、私が傑作だと思ったのは表題にもなっている「よもつひらさか」です。

これは怖い。

王道ホラーで、ゾッとさせてもらえます。

短いストーリーの中で、これでもかと恐怖を感じさせてくれます。

この話だけでもこの本を買う価値があるように思います。

それくらい面白いし、怖いです。

この話を最後に持ってきて大正解だと思います。

これを最後に読むことで「読んでよかった」と思うことができました。

また。

おそらくですが、今邑さんの作品に影響を受けたホラー作家さんは多いのではないかな、と感じました。

「あー、この話は後々、あの作家さんのあの作品に影響を与えたんじゃないかな。」と思える話がいくつかありましたので、そういう意味でも偉大な方だったように思います。

「よもつひらさか」、胸を張っておすすめできます。


よもつひらさか (集英社文庫) [ 今邑彩 ]