小説「ついてくるもの/三津田信三」を読んでみた

ネタバレなしの小説レビュー

三津田信三さんの小説「ついてくるもの」を読みました。

あらすじ。

高校二年生の私が、学校の帰り道に一瞬目にした、えも言われぬほど鮮やかな緋色。それは、廃屋の裏庭に置かれた雛飾りだった。どれも片目と片腕、片足が傷付けられていた人形たちの中で、一体だけ無傷だったお雛様を助けなければと思った私は…(「ついてくるもの」)。酸鼻を極める最新ホラー短篇集。表題作ほか6編を収録。

いやー、最高です。

最高のホラー小説の一つではないでしょうか。

めっちゃ怖いです。

私はホラー慣れしていると思いますが、それでも背筋に冷たいモノを感じずにはいられませんでした。

この「ついてくるもの」は短編集でして、複数の話が読めます。

「夢の家」、「ついてくるもの」、「ルームシェアの怪」、「祝儀絵」、「八幡藪知らず」、「裏の家の子供」、「椅人の如き座るもの」の全7話なんですが、私の独断で話の順位をつけさせてもらうなら、次のようになります。

1ルームシェアの怪、2八幡藪知らず、3夢の家、4ついてくるもの、5裏の家の子供、6祝儀絵、7椅人の如き座るもの。

もう1位と2位の話はぶっちぎりに面白いです。

真にゾッとしたいのなら「ルームシェアの怪」、子供の頃の冒険心と怖がりだった頃の自分を思い出したいなら「八幡藪知らず」がおすすめです。

ルームシェアの怪は、思い出すだけで鳥肌が・・・

私が3位をつけさせてもらった「夢の家」は、短時間でサクッと読めます。

そして、「うわっ・・・」という不気味な気持ちにさせてもらえました。

すべての話で言えることなのですが、この小説には湿り気のある恐怖感が漂っているように感じます。

湿り気があり、体にまとわりついてくるような怖さとでも言いましょうか。

ですが、不思議と読後感は悪くありません。

怖い思いはできますが、絶望的な気分になることはないはずですので、ご安心を。

これだけ中身が濃い話が詰まっていて、文庫本で700円強は安いですね。

良質なホラーエンターテイメントを、お手軽に味わうことができます。

ただし、注意点もありますよ。

恐がりな方は、夜寝る前に読むのだけはおすすめしません。

悪夢にうなされる可能性がグッと高まってしまうでしょうから。笑


ついてくるもの (講談社文庫) [ 三津田信三 ]