小説「暗いところで待ち合わせ/乙一」を読んでみた

ネタバレなしの小説レビュー

乙一さんの小説「暗いところで待ち合わせ」を読みました。

あらすじ。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。書き下ろし小説。

この小説、ジャンル的には何と言えば良いのでしょう?

ホラーではないように思います。

私はタイトルだけ見て読み始めたので、ホラーだと思っていました。

実際、前半は新感覚のホラーっぽい要素があり、「おお、乙一さんはなんて斬新な恐怖感を演出する人なんだ。」と思っておりました。

「目が見えないということは、こんなにも恐ろしいことなのか・・・」と、考えさせられるものがありましたし、じわじわ来るような恐怖を感じておりました。

ですが、読み進めるうち徐々にホラーの要素は薄れていき、最終的には絶対にホラーとは呼べないような位置に着地しました。

しかも、着地点がまた心地いいんです。

読後感が素晴らしいと思います。

ネタバレするのであまり言いたくありませんが、私は読後に優しい気持ちになれたように思います。

乙一さんの小説は初めて読みましたが、一発で気に入ってしまいましたよ。

ジャンル的には広い意味でミステリーなのでしょうか。(まだジャンルにこだわるか)

ただし注意点としましては。

「暗いところで待ち合わせ」を、ミステリー小説だと思って読まないでほしいなと願います。

謎解き系の話ではありませんので。

広い意味ではミステリーと呼んでも良いかもしれませんが、ミステリーモノとは言えないように思います。

あえていえば「ヒューマンノベル」と呼べるかもしれません。

人の心を感じることができますので。

人間関係に疲れている人や、学校や職場で独りでいることが多い方は共感できる部分が多いかもしれません。

これを読んだ人の多くが、何かしら感じるものがあるのではないかなと思えます。

多くの方に、おすすめできます。


暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫) [ 乙一 ]